vol.06 日本初のバイオジェット燃料製造プラントを建設せよ。

euglena Project

06

日本初のバイオジェット
燃料製造プラントを
建設せよ。

国産バイオ燃料計画のスタート

2014.07

継続中

世界最大手石油会社・シェブロングループとの技術提携に向けて

2014年夏、経営戦略担当取締役の永田はアメリカ・カリフォルニア州にいた。永田の向かいで話している相手は、世界最大手石油会社・シェブロンの合弁会社のキーパーソンだ。
このとき永田は、日本でバイオ燃料事業を進めるにあたり大きな課題にぶつかっていた。それを解決するためにアメリカに飛んだのだ。

ユーグレナ社は、2012年の東証マザーズ上場時より、宣言し続けていることがある。「2020年までにミドリムシなどの微細藻類から作った燃料で飛行機を飛ばす」ことだ。
水素や電気などの代替エネルギーの活用が難しい飛行機や大型自動車(バスやトラック)において、石油由来の燃料に変わるバイオ燃料の実現は、地球環境の観点からも、資源の乏しい日本という国の観点からも強く求められている。
この未来を実現するためには、ミドリムシなどの微細藻類から原油を作るだけではなく、原油から燃料を作り出すバイオ燃料専用の製造プラントが必要である。石油を製油所でガソリンやジェット燃料にすることと同じ仕組みだ。しかし日本にはバイオジェット燃料を製造するために必要なASTM規格*1適合のバイオ燃料製造プラントがなく、またASTM規格に適合する製造プラントを設計するための燃料製造技術も、2014年の日本にはなかった。

*1:ASTM規格…世界最大規模の標準化団体である米国試験材料協会が策定する規格。世界的に航空機に使用されるジェット燃料はASTM規格への適合が義務付けられている。

「このままでは原料をどれだけ開発しても、バイオジェット燃料製造の実現は果たせない…」
永田はなんとしてもバイオジェット燃料事業を成立させるために、新日本石油出身でバイオ燃料や石油業界に詳しい当社技術顧問の太田と協議・調査を重ね、ミドリムシの油脂と相性がよいと考えられるバイオジェット・ディーゼル燃料等の製造技術を見出した。そして、その技術を持つシェブロンとの関係構築のため、アメリカの西海岸に向かったのだった。

しかし、当時の当社の年間売上高は約30億円。創業して10年にも満たないベンチャー企業が膨大な資金を必要とする燃料製造プラントを建設することはリスクが高い挑戦となる。そのうえ、バイオジェット燃料製造のために必要なBiofuels ISO Conversion(バイオ燃料アイソコンバージョン)技術は、過去米国企業以外にライセンスされたことはなかった。しかも、当社は燃料製造企業でもない。資金力も限定的なベンチャー企業に世界最大の石油企業が対等にライセンスする、そんなことが実現できるのだろうか…。

2014年当時の永田、バイオ燃料事業を成功させるためにはどうすべきかを胸の中でずっと考えていた

交渉の結果、永田は2015年5月に、シェブロンが出資する合弁会社(Chevron Lummus Global LLC)との間で、バイオ燃料を製造するために必要な技術ライセンス付与および設備の基本設計*2に関するエンジニアリング契約の締結を実現する。その当時を振り返って永田は言う。
「多くの方とさまざまな議論をし、そしてご支援をいただいたが、最後の最後は若い僕たちの『世界を変えたい』という想いに応えよう…という浪花節だった。海外でのこの経験は、今後の経営においても大きいに違いない。」

*2:シェブロンから開示されたさまざまなバイオマス油脂からジェット・ディーゼル燃料等を製造する技術は米国立地向けの仕様・法規対応であったため、日本の法規・JIS規格への改定を行う必要がありプラントの基本設計をつくり直す必要があった。

動き出す『国産バイオ燃料計画』

日本国内でも実現に向けて解決しなければならない問題は山積していた。その1つが土地探しだ。バイオ燃料の製造は危険物製造となるため、プラントの建設が可能な場所は制限されるうえ、実際にバイオ燃料を給油することになる空港に近くなくてはならない。
その次はいざ国内で建設するとなった場合、誰が設計し運用するのか。そして誰が空港まで運ぶのか。最後は誰が利用するのか…。国内におけるバイオジェット燃料フライト実現のための協力企業探しも大きな課題であった。

プラントを建設できるのは、条件からして工業地域かつ空港に近い地域となる。条件に合う候補地はなかなか見つからず、東は北海道から西は沖縄まであらゆる自治体に声をかけながら、探し回った。そして横浜市の紹介により、旭硝子京浜工場内の空き地を建設地として決定することができた。そしてその他の協力企業として、ANA、いすゞ自動車、伊藤忠エネクスとも共同でバイオジェット燃料実現に向けた体制を構築していくこととなった。
永田の粘り強い交渉が功を奏し、ようやく日本で実証プラント用の基本設計を開始することができたのだ。

そして、2015年12月。当社は、横浜市・千代田化工建設・伊藤忠エネクス・いすゞ自動車・ANAの協力のもと、2020年に向けた国産バイオジェット・ディーゼル燃料の実用化計画『国産バイオ燃料計画』の始動を発表。
シェブロンの子会社と技術提携したことにより、日本初となるバイオジェット・ディーゼル燃料製造実証プラントを建設し、各社の協力を得ながらバイオジェット燃料による有償フライトおよびバイオディーゼル燃料による公道走行の実現を目指す、と公に宣言した。

ANAの格納庫にて「国産バイオ燃料計画」の記者会見を行った

翌年の2017年6月1日には、旭硝子京浜工場内の建設予定地において、バイオ製造実証プラントの起工式を行った。

目標としている2020年まであと2年半。工期は千代田化工との工事等請負契約で確定しており、2018年10月に竣工し、2019年前半に稼働する予定だ。
永田は今日も日本の期待を背負い、バイオ燃料事業の事業化に向けて走り続けている。

2017年7月掲出

euglena Data

~バイオ燃料事業化に向けたロードマップについて~

登場人物

取締役
財務・経営戦略担当
永田 暁彦

「「アレがないコレがない」と言って、バイオジェット燃料事業を日本で実現できない理由を作りたくなかったんです。
ベンチャーらしいビジョンと実行力で責任を果たしてまいります。」

euglena Projects

vol.00

バングラデシュの子どもたちを
救う素材を探せ。

vol.01

誰もなし得ていない、ミドリムシの
屋外大量培養技術を確立せよ。

vol.02

ミドリムシを
300億円市場に育て上げよ。

vol.03

バングラデシュの
全ての小学校に給食を。

vol.04

煙突から排出されるCO2
ミドリムシを培養せよ。

vol.05

ミドリムシの化粧品事業を
立ち上げよ。

vol.06

日本初のバイオジェット燃料
製造プラントを建設せよ。

vol.07

「ミドリムシ」の名前を
武器にせよ。

vol.08

中国にミドリムシを
普及せよ。

vol.09

スーパーユーグレナを
獲得せよ。

vol.10

バングラデシュの
貧困問題を
緑豆事業で解決せよ。

トップに戻る